第6話

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彼女はあの後、 逆上(のぼ)せてしまったらしく ぐったりと身体を俺に預けたまま眠ってしまった。 …ハア、と深く溜息をついて前髪をガシガシと掻き上げる。 どんだけ…、 ってか……どんだけ無防備なんだよ!!! あの状況で意識なくすとか、反則だろ!? レッドカードもんだろ!! 赤く染まり火照った、絡みつくように湿った身体。 柔らかくて艶やかで目が離せなくて、沸き上がるもんを必死で堪える。 取り敢えず…、 ベットまで運んでやった。 もー…、、流石に限界かもなと思い立って、 先程の場面を見られた手前、すごくすごくやりづらいと思いながらも、 三津さん達の部屋とを繋ぐ、コネクティングドアに手をかける。 三津さんに” 賭け ”がしたいと、言われていたし。 彼女もあのまま眠ってしまっていて暇だし…。 …ってか、彼女と同じ空間に入れる自信がないから、ちょうどいい暇潰しになるしって気持ちで、 軽くノックした後、ドアノブを回した。 ガチャ…と開いたドアの先。 視界に飛び込んできた光景に-- 「ーーー。」 「…っ、」 「………。」 --踏み出す足も、思考も…一瞬、止まった。 このまま何も見なかった事にして、開いたドアを閉ざそうかとも思った。 ーーーー最、中…でしたか? 服の乱れた高橋さんが、半ベソ顔でソファーに押し倒されていた。 あー…、… 「…出直し、ましょーか?」 むしろ聞かずに立ち去ればいいものを…、 敢えて聞く俺も、今まで邪魔された事に苛立っていたのだろうかと、…苦笑する。 俺の言葉に三津さんは「……いや、飲もうか。」と体制を整えて、 覆い被っていた彼女から身体を離した。 ” ーーー寸止め、いいんかい!? 高橋さん、カワイソ… ”っと、何処か要らぬ同情をしつつ、 「すみませんが高橋先輩、 高嶺の服を着替えさせてあげてくれますか? 彼女……水着姿のまま長湯で逆上せてしまったらしくて…」 とだけ伝えて、コクコクと頷きを見せる彼女を横目に、隣の部屋の一角に設置されたバーカウンターへと足を向ける三津さんの後姿を追った。
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