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彼女はあの後、
逆上(のぼ)せてしまったらしく
ぐったりと身体を俺に預けたまま眠ってしまった。
…ハア、と深く溜息をついて前髪をガシガシと掻き上げる。
どんだけ…、
ってか……どんだけ無防備なんだよ!!!
あの状況で意識なくすとか、反則だろ!?
レッドカードもんだろ!!
赤く染まり火照った、絡みつくように湿った身体。
柔らかくて艶やかで目が離せなくて、沸き上がるもんを必死で堪える。
取り敢えず…、
ベットまで運んでやった。
もー…、、流石に限界かもなと思い立って、
先程の場面を見られた手前、すごくすごくやりづらいと思いながらも、
三津さん達の部屋とを繋ぐ、コネクティングドアに手をかける。
三津さんに” 賭け ”がしたいと、言われていたし。
彼女もあのまま眠ってしまっていて暇だし…。
…ってか、彼女と同じ空間に入れる自信がないから、ちょうどいい暇潰しになるしって気持ちで、
軽くノックした後、ドアノブを回した。
ガチャ…と開いたドアの先。
視界に飛び込んできた光景に--
「ーーー。」
「…っ、」
「………。」
--踏み出す足も、思考も…一瞬、止まった。
このまま何も見なかった事にして、開いたドアを閉ざそうかとも思った。
ーーーー最、中…でしたか?
服の乱れた高橋さんが、半ベソ顔でソファーに押し倒されていた。
あー…、…
「…出直し、ましょーか?」
むしろ聞かずに立ち去ればいいものを…、
敢えて聞く俺も、今まで邪魔された事に苛立っていたのだろうかと、…苦笑する。
俺の言葉に三津さんは「……いや、飲もうか。」と体制を整えて、
覆い被っていた彼女から身体を離した。
” ーーー寸止め、いいんかい!?
高橋さん、カワイソ… ”っと、何処か要らぬ同情をしつつ、
「すみませんが高橋先輩、
高嶺の服を着替えさせてあげてくれますか?
彼女……水着姿のまま長湯で逆上せてしまったらしくて…」
とだけ伝えて、コクコクと頷きを見せる彼女を横目に、隣の部屋の一角に設置されたバーカウンターへと足を向ける三津さんの後姿を追った。
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