第6話

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「おはよう、たかちゃん」 柔らかく微笑む俺に、彼女はすぐに目を伏せるように視線を逸らして、 「おは…よぅ…」っと、小さく声を漏らす。 昨日の二日酔いで思考は---、とにかく朦朧中。 なんだ…?そのぎこちない態度は… この時は、昨日の露天風呂での出来事がスッカリ記憶から抜け落ちていた。 「…ねえ、…春樹……」 「ん?」 「…なんで、私……こんな…格好なんだっけ?」 「……?」 ハ?…って、彼女の言ってる意味がわからなくて、 ジッと見つめて……彼女の次の言葉を待ってみる。 「こ…れ、だっ、誰が……着替えさせてくれたの?」 声を震わせながら、ぎこちない表情を見せる彼女の言葉と態度で、 ”---ああ、”ってやっと思い出した、、 んだけど、…「…!?」。 ハッと気付いて、目を見開く。 …な、なんだか凹凸がリアルな気がして、 思わず……ガン見!! 目も頭も冴えてきてしまった(笑 そして、”「ーーああ、ソレ。……勿論、俺だよ?」”って嘘、言ってみたり? 「~っ!?」 俺の言葉に慌てふためく彼女の顔は、もう昨日の様に怯えた様子もない。 …良かったと心を落ち着かせる半面、舌を出してほくそ笑む。 女の生着替えなんかしたら、 ”いくらなんでも俺の理性が一瞬で吹っ飛ぶっつーの!!” ってゆー俺の気持ちに気付かない彼女は、 また、まんまと俺の言葉を信じ込んでパニクッてるから……面白くて。。 彼女を落ち着かせようと-- 「ああー…。もー面倒臭いなあ、 じゃーそんなん言うなら、俺の全裸今から見ればー? それなら”おあいこ”でしょ!」 --少しパフォーマンスしただけなのに、 ”………エッ!?”っと目を見開いて、 スエットに手を掛けていた俺に勢いよく飛びついてきて、鼻血顔を俺に向けてきた。 …ブハッ!、と我慢できずに噴き出してしまう。 …ちょっ、……マジ勘弁っ…!はっ、腹痛え…!!(笑 「うわっ、何っそんな想像力豊かに描いちゃってんの? ヤバッ、たかちゃんエロ過ぎ!」 俺の身体をどんな風に想像したらそーなったのか、是非とも教えて欲しかった。 「ちょ、ちちっ、違う!違うから! ……断じて目の前の春樹に欲情したからなわけでわ……」 咄嗟に彼女の口から出てきた言い訳さえも、 何とも取り繕った感イッパイで、可笑し過ぎて大声で笑ってしまった。
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