第6話

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でも、----まあいいか。 彼女とあの部屋から出れて、一泊旅行だなんて、 彼女との距離を縮めるには、最高のタイミングなのかもしれない。 距離を縮める、 縮める縮め…健康男子であれば過ぎってしまう下心…、、 …いやいやいや、下心は駄目だろ… 男として意識するような事をするだけ、それだけ… 俺、我慢できる…かな。。 すでに下心でイッパイなんですが… そんな邪念を回避したくて、 部屋だけは同じじゃなくても良いって気持ちを少なからず含めての 「グッパー ジャス」って、公平な部屋割を作ろうと試みたんだけど-- ”俺、強運の持ち主だから、結構こーゆーの得意よ?” --って三津さんの一言で、火がついた。 彼女を、コイツと同じ部屋にだけはさせられない。 ” ハハッ、俺もです。あ、因みに俺はパー出します ” ” んぢゃー、俺はグーな。高嶺さん、俺と同じでグーで宜しくね! ” バチバチと、俺と三津さんにしか見えない火花が密かに飛び散っている事に、高橋先輩だけが気付いていたみたいだ。 運命の分かれ道は、結局…、、 俺に微笑んだ事になるのだろうか? 部屋のお相手は勿論……、鈍感で、究極の無防備女。 温泉+混浴+お泊り+家の外(手出しOK)=いただきます!(笑 なんて思考回路が立ち上がり、 …崩壊寸前の俺。 消極的でも草食系でも無い俺には、拷問でしかないこの状況。 滅茶イタダケナイんですけど…。。 それなのに、彼女ときたら、 あり得ない位…ずっと「グッパー ジャス」で”パー”を出して、 まるで俺と同じ部屋が良かった…みたいな言葉で誘ってきた。 「へえ」 カチ!っとスイッチが入らないわけがない、その御誘い文句。 「じゃ、俺と一夜過ごす覚悟、あるって事だよね」 ”むしろ、イイなら頂いちゃいますけど?”と、 彼女の身体を抱え込むようにソファーに手をついて、 右脚の膝だけ曲げてソファーに乗り込む。 「違っ、そ、そーゆーんじゃなくてっ、 だって、だってっ春樹は何も…しないじゃない?」 そんな俺の言葉と行動に慌てた素振りで、その言葉。 …ナンデ? ”何も…しない”って、何が? 「だって、春樹は…私に手を出さないって言ったし、 約束してるから、だから別に……」 「だから別に意識してない?」 ---何言ってんの? 俺…我慢しまくってるんだよ?
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