インビジブルガール

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 私の姿は誰からも見えなくなっていた。  私がいても誰も無反応。私が声を掛けても誰も、親ですら気づいてくれないし、目も合わせてくれない。しかも切符や電子マネーがなくても改札が通れたり、自動ドアが反応してくれなかったりと、機械にまで自分の存在を無き者として扱われていた。  ファンタスティックだけど、そんな私の状態はまるで透明人間のようだった。  今も私の目の前にあるタッチパネル式の航空券発券機は無反応だった。私がディスプレイを何回も指でタッチしているのにもかかわらず、画面は一向に切り替わらない。  私の横から指がぬっと突き出された。黒スーツの腕だ。  平均身長を持ち合わせた二十代女子を無視するとは何事か。  私は振り返り、これからどこかに出張にでも行くのであろう中年サラリーマンの男を睨みつけた。けれど発券機を操作し始めたサラリーマンは、私の視線などものともしなかった。それどころか私と目を合わせることもなく、その瞳はひたすらディスプレイを注視していた。
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