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何便、何時何分どこ行きかが表示された電光掲示板を私は見上げた。最新の発着が電光掲示板いっぱいに表示されていた。カタカタカタカタとフライトが終了した便の項目のパネルは、新たな発着へと表示が切り替わっていく。
東京行きの便は……。
私は上から順に、電光掲示板の項目を目で追う。
大阪、名古屋、仙台、福岡……。
見つけた。
ちょうど電光掲示板の真ん中辺り。搭乗時刻は今から約一時間後。
私は搭乗口のナンバーを確認すると再び歩き始め、保安検査場の前まできた。検査場と言ってもそんなに仰々しい所ではなく、実質登場待合室へと繋がるゲートのような場所だ。
国内線では手荷物に、鍵等の金属製の物を別のトレーに置き、職員の手によって検査場内にあるベルトコンベアーに乗せ、機械に通す。そして搭乗者本人自体はその横を一緒に歩く形で金属探知機を通り過ぎ、問題がなければそのまま手荷物と鍵等を再び受け取り終了だ。
私は保安検査場内を素通りしていった。前回、クリスマス・イブに東京へ行った時――私がまだ透明人間になる前に飛行機を利用した時は、金属製の物がないかバッグの中をいじりまくり戸惑ったりしたけれど、今回は何も持っていないから楽なものだ。
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