アンラッキーセブン3

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 このことわざは二神双葉にぴったりだった。 他の人達も私と同じように思っただろう。 特に男達三人は違いない、と女の私は予想する。 あんなに美しい人に目が惹かれないはずがない。 ババアなどと暴言を吐いたポロシャツの男だってそうだろう。 もちろんあの時は皮肉を込めた言い方を選んだのだとは思うが、こんな状況でなければ声くらいかけていたに違いない。 私を含め女三人も同じように思っただろう。 しかしその後に、嫉妬を憶えたはずだ。 女は女に惹かれようとも、次の瞬間にそれが出てくるのだ。 羨ましい、どうして私は、と比較してしまう。 それほどに、二神双葉は美しかった。 『話を続けます。しかし、二神双葉は赤詐欺である事を否定されました。彼女は幾人の男性から被害届を出され、詐欺師のレッテルを貼られたそうなのです。それらから逃げるように生活していたとおっしゃいました。一つの場所に住んではまた同じ状況に置かれ、引っ越しを繰り返していると』
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