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夜、
柚多夏が仕事から帰宅した。
いつもより早かったから希春は驚いた。
ご飯を一緒に食べて、お皿を二人で洗った。
柚多夏がお風呂に入り出てきた時に
『柚多夏くん、お話しがあるの』
『なあに』
と優しい柚多夏の声
『えーと、ゴメンなさい』
『何が?』
と柚多夏の声が変わった
『小説家って、自分の経験や家族の事をヒントに話を書く事が多々あるのよね』
『希春も俺をモデルにしたとか?』
『実は…そうなの。勝手にゴメンなさい』
希春は正座し深く頭を下げた。
いわゆる、土下座だ。
『もう、いいよ。怒ってないよ。ただ、仕事に差し支えない程度に書いてね』
と柚多夏が言った
『嫌じゃないの?』
と希春が聞くと
『小説家と結婚したんだから仕方ないよ。でも、希春の小説は読まないかもしれないな。恥ずかしいし』
『うん、私も恥ずかしいから…でも、読みたかったら読んでね。酷い話は書かないから安心して』
柚多夏が優しく頷いた。
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