32人が本棚に入れています
本棚に追加
五時まではまだ八時間以上あるのに、待ってる訳ない。
「さあ、着きましたよ」
そう言われて足早に車を降りる夏芽。
その顔付きは真剣そのもので、完全にスイッチが仕事モードに切り替わったみたい。
私も車から降りようと、ドアに手をかけた……その時だった。
外にいる一人の男性が視界に入る。
黒髪短髪。
男らしい、広い背中。
「み…ずき…?」
私の中の時間が止まったみたいに、その人にしか意識が集中できなくなる。
最初のコメントを投稿しよう!