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「相変わらず、音沙汰なし」
そう私に言ったのは、元さんこと慎だった。
あれから慎は私が夏芽と結婚してから毎日、部屋に来て他愛もない話などをよくしてくれた。
そのおかげでかなり仲良くなれて今では、お互いなまえで呼ぶ仲にまでなれた。
「もう、いいよ…慎」
「んなこと言ったって、諦めつくのか?」
私は自室の窓を開けて空気を大きく吸い込んだ。
諦め…?
つけるもつけないも、私は夏芽の妻。
悪あがきしたところで、瑞希との未来は無い。
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