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身仕度を済ませて私と夏芽は慎の待つ車へと乗り込む。
「じゃあ病院まで頼む」
「かしこまりました、旦那様」
静かに車を走らせ始める慎。
「そうだ慎、最近未愛と仲良いみたいだね」
「…旦那様が多忙のため未愛さんが退屈しないよう、精進させてもらっています」
そうバックミラー越しに、夏芽を見ながら慎は答えた。
あれから慎は夏芽の前ですら、私を奥様とは呼ばなくなった。
未愛さんって呼ばれるのは少しくすぐったいけど、そっちの方が全然マシ。
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