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センセーが「綺麗」だと言ってくれた身体を
結局、俺は傷だらけにして、診察室に到着し。
柳眉が不快に寄せられる。
そのことが、怖くて
嬉しくて
冷ややかな視線に、ぞくりと肌が粟立った。
「こっち、おいで」
綺麗な指が差し伸べられて
その指が初めて俺に『触れた』日の記憶を
身体が勝手に感覚だけを再生する
「傷つけるなって、言わなかった?」
そろりと近づいた俺の耳元で、吐息と声が同時に触れた。
耐え切れず、ぎゅっと目をつむった俺の、傷のついた頬に触れる柔らかいもの。
少しの痛みと熱に
触れたものが唇だと気づいて安堵した瞬間。
「そんなに傷つけたいなら、俺がつけてやろうか」
「…っ、てっ!」
首筋に思い切り
噛み付かれた。
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