極甘バレンタイン

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キスにに溶かされながら、必死にセンセーの舌を追いかける。 チョコの混じる、溢れた唾液を懸命に飲み込んだ。 膝に置かれている手が、指先で引っ掻くみたいに内腿を上り、その感覚が分厚いジーンズ越しでもどかしい。 息苦しさを感じ、顔を背けてもすぐに追いつかれて塞がれる。 一瞬の合間、感じる先生の吐息も熱くて、甘くて。 チョコの香りに、酔いそう。 顎を掴む手の親指が、顔のラインを辿り首筋を降り、シャツの開いた襟元から鎖骨を撫でる。 「…んっ」 思わず漏れた声に、唇が合わさったまま笑われた気がした。 「………せんせー…」 「ん?」 額同士がぶつかって唇が離れた。 俯くとボタンが外れてはだけたシャツから先生の手がするりと入り込む。 指の腹で、肩を撫でるようにしてシャツを肩からずり下ろした。 肩から背中へと場所を変えた指の動きに、ぞくぞくと芯を通る疼きに首がのけぞる。その首筋に先生が顔を埋めてさらさらした髪が触れた。 「せん、せー…ソファは嫌だって…」 喘ぎながら洋々出た言葉。 「ほんと…誘惑だけは、一人前」 だけってなんだよ、って反論してやろうと思ったけどそんなん全部。 あの日みたいに首筋に噛み付かれて飛んでった。
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