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カーテンの隙間から漏れる朝の光が、雲の加減か和らいだ。
裸でうつぶせにされたベッドの上で、背中の上を5本の指で上から下へと往復を繰り返し、その度びくびくと反応する俺で遊んでるみたいだった。
「は……」
「ここ、気持ちいいね」
尾骨の辺りをかりかりと指で引っ掻く。
脇腹や腰に柔らかくて熱い舌がぬるりと辿っては時々水音を立て、吸い付いた。
後ろの、少し上。
そこばかりを、舌先が居座って時々歯を当ててくる。
「んぁっ…」
――― だめだ…もう。
早く、ちゃんと触って欲しいのに。
触れて欲しいトコは、もう…少し……
もどかしさから下唇を噛む癖が出ると、いつものように指が強引に割り込んでくる。
「ほら、噛んじゃだめ。これ舐めて」
「っ…ふぁ」
2本の指を、懸命に舐めようとするけどちっとも口の中でじっとしてなくて。
頬の内側や舌の裏まで撫で回され唾液が溢れて、零れた。
「あぁ…べとべと」
口内中弄られて、苦しかったはずなのに。
指先が離れていくのが、なぜか寂しい。
「あっ…」
濡れた指が、ずっと欲しかった場所に触れてくるくると円を描いた。
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