第2話

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お菓子のせいか、少しやる気を取り戻す。どうせなら、元々の絵とは全く違う感じにしてしまおうか。その方が楽しく描けそうた。 作業も大分進むようになり、気付けば7時過ぎだ。 花菜は後片付けをして職員室に鍵を返しに行った。 玄関に続く階段を下りていくと、男子生徒が下駄箱に寄りかかりケータイをいじっている。 ふと男子生徒の顔に目が行き、花菜の動きが止まった。 成宮充だ。 サッカー部も終わったのだろう。誰か待っているのだろうか。 とりあえず、声をかけてお菓子のお礼を言おうか。 花菜が口を開きかけたその時、成宮充もこちらを見る。 こちらに気付くと、持っていたケータイを閉じてポケットに入れ、近付いてくる。 「矢澤さん、待ってたんだ」 「え?!」 「送ってくよ」 当然のように言い、下駄箱からスニーカーを取る。 「ど、どおして?」 歩き出している彼の後を慌てて後ろについていく。 「田口が……」 「田口?」 「あの絵は学祭ので期限があるから、放課後遅くまで残ってやるらしいって聞いて…」 「あ……」 「遅い日は、送るよ」 並んで歩き出すが、昨日とは印象が変わる。落ち着いた雰囲気だ。あの時は彼も焦っていたし、これが地なのかもしれない。あまり喋らないと早智が話していたのを思い出す。 「あ、あのね……。田口からお菓子もらった。ありがとう」 「いや……。好きなのわかんなかったから、テキトーに選んだんだけど」
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