第2話

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結局、ウチの前まで送ってもらった。 花菜はこっそり周りをチェックする。 とりあえず誰にも見られていない。 「また明日な」 花菜の行動を察してか、クスクス笑っている。面白がるような様子に、花菜はむっとした。 「ありがとう、送ってくれて」 言葉と態度は合ってないだろうと思いつつ、お礼は言っておく。 短時間ではあるが、一緒に帰って大分打ち解けていた。 「……言いたいことありそうだね」 「……成宮クンは、けっこう遠慮なく言いたい事言うよね」 「矢澤さんは周りを気にするよね。そんなに気になるもん?」 「そりゃ……。確かに、絵はダメになったけど、お菓子ももらったし。正直ここまでしてもらう事じゃないかなって。それに、成宮クンはモテるって聞いたから、目立つだろうし、すぐ噂になるだろうなって……」 「……他は?」 「え?」 「他にも思ってる事ある?」 「……ない、かな?」 「噂ってどんな?」 「どんなって?」 「どんな噂になるの?」 成宮充はにやにやしながら答えを待っている。 絶対にわかっていて聞いている。 気にしているのほ自分だけ。なんだかくやしい気持ちになって、この人に遠慮なんていらないと感じる。 「毎日ふたりで帰ったら、彼女じゃないかって勘違いされるってこと!」 「彼氏いるの?」 「……いないけど」 「俺も彼女いないし、なんて噂されても別に平気だけど」 突然真剣な顔になる。 「矢澤さんは女の子だし、気になるよな」
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