序章「親と学校と俺と。」

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何とも言い表すことの出来ない、白く、広い空間。 天と地、上と下、そんなモノが一切存在しない、落ちているということを忘れるくらい、大きな空間だった。 ーそうか。俺は…死んだのか。 そう思った。 けど、何処と無く帰ってきた言葉は、 「違うね。君は『落ちた』んじゃなくて、『堕ちた』んだ」 誰かも分からない、柔らかな言葉。 何処か、懐かしささえ感じさせるその声は、俺の脳に、深く焼き付いた。 「堕ちた……だと?」 「そうさ。正しくは、今から『堕とす』だけどね」 「どういう意味だ」 「そのまんまの意味さ。君は、今から…… 神によって堕とされた、『堕天使』になるのさ」
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