亡国の音 ~建業哀歌~ 

21/21
前へ
/280ページ
次へ
劉備は、陸遜等、諸将を建業城に呼び寄せた。 「陸遜伯言でございます。」 「黄蓋公覆でございます。」       ・       ・       ・  諸将は挨拶した。 劉備は玉座から降りて出迎えた。 「方々。 ご苦労でした。 朕は時の運により、はからずも帝位にあり、国を統一する事が出来たんです。 孫権殿が滅んだは決して、偶然であり、また、時代のなすわざです。 方々は己の才を生かして、朕を助けて欲しい。」 しかし。陸遜達はやはり。 「申し訳ないと思いますが、我々が敗れたとあれば、もはや、我々の時代は終わりを迎えたのです。 どうか、隠居をお許しください。」 劉備に仕える気はなく、辞去したのである。 彼らが、孫紹のもとに行ったのかは、歴史は記していない。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!

191人が本棚に入れています
本棚に追加