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孫尚香は暴れていた。
「来るな! 帰れぇ!!」
牢屋の中で、鎖をガチャガチャならしながら、怒鳴る孫尚香。
「確かに、孫権殿には悪いことをした。
悪かった。」
劉備は頭を下げる。
「違う!
私は罪人の妹なのよ!
何故、殺さない?
何故、誰も蔑まない?
心の中じゃ蔑んでいるのに……!!」
「お前に罪はなかろうに…。」
劉備は漏らす。
「そりゃ、孫英には罪はないよ?
だけど、政略結婚でこちらに来た私にはもはや、何の価値もないの!!
どうか、奴卑にして、兄貴の罪を償わせて欲しいのです!」
「……。」
劉備は黙って消えた。
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