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劉備は遂に決断した。
再び、牢屋の前に立ち、告げた。
「兄の罪を償うとあれば、死罪しかないぞ?
いいのか?」
「いいですよ。
謀叛人の妹には、陛下にお仕えする資格など、ありませんから。」
「……尚香?」
孫尚香の目には涙が零れていた。
「兄の謀叛さえ無ければ……。
何度、そう思ったか……。」
「……。」
いたたまれなくなって、劉備は去っていった。
「これで……。
良いのよ。
陛下。
あなたの名に傷つけるよりは……。
私にとっても……。
人々に後ろ指差されていきていくよりは……。」
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