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『八鬼』というのは、文字通り八名の鬼によって構成された鬼の代表組織である。
人の世で例えるなら、帝を中心に政治を取る者達だ。
鬼の代表として人との共存を目的に、こうして妖を討伐等を生業にするのが彼ら『八鬼』。
そして『八鬼』には強さや能力によって『序列』という順位を決められる。
勿論、討伐隊の長を務める鳴弥は序列第一位。
ちなみに壮燗は序列第三位で、その他の順位に比べると高位である。
そんな考え事をしながら辺りの状況を改めて飲み込む壮燗の視界に、あの問題の鎌鼬が入り込んだ。
「発見っと…! 」
無駄に被害が出る前に悪い芽は摘んでおくべきだと、壮燗は獣に鎌を付けた妖の鎌鼬を打ち倒した。
あっという間に勝敗が決まると同時に、壮燗はまだ気を緩まず耳を澄ます。
足音がこちらの方へ向かっているのだと、冷静に判断する壮燗は耳に集中するのを止めた。
「…誰? 」
考え事を巡らせる壮燗の脳内に、ふっと響八の姿が浮かんだ。
まさかと、少し口元が緩む壮燗は襲い来る妖を引き続き破ってゆく。
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