すごく特殊な愛の形

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   ――女という生き物は、皆可愛い。男は女にはなれない、だから男は女を敬愛し、大好きになるのだ――  可愛いものが好き。これって、何も悪い事じゃないよね? 「可愛いだけのキャラクターなんて、いらないんだって」  ご飯をもりもり食べながら愚痴るちーちゃんは、ちょっと怖い。女の子らしいぷるんとした唇は、白米をがんがん貪っていく。お箸にぶっ刺した煮玉子も、まあるいまんまの大根も、からっと消える。  僕は思う。おでんとご飯は、相性がよくない。 「あたし、才能ないのかな。もう何回ダメ出しされたか分かんないよ。もう、疲れた」 「ちーちゃん、お茶飲む? 僕、お茶飲みたいな」 「ん、何がいい?」 「今日はねー、ほうじ茶」  ちーちゃんはお茶碗をついでに片付けて、お茶を淹れてくれる。食事の後のお茶。ビールも好きだけど、ちーちゃんと一緒の日はお茶がいい。 「先輩に聞いたの。可愛いだけじゃ駄目なら、どうすればいいのか」 「ちーちゃん、おせんべない?」 「ご飯食べてすぐでしょ、駄目。それでね、先輩が言ったのよ。自分で分からないなら、イラストレーターなんてやめなさいって」  
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