すごく特殊な愛の形

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   ああ、食べたいなぁおせんべちゃん。 「……」  不意に訪れる、沈黙。顔を上げると、ちーちゃんが怖い顔でこっちを睨んでいる。 「どしたの、ちーちゃん」  ふと湯飲みを見てみれば、お茶はもう残りわずか。 「おかわり?」  僕が湯飲みを差し出すと、ちーちゃんはおっきな溜め息を吐く。 「待ってて、淹れてくる」  また席を立ち、ちーちゃんはこぼれそうなくらい注がれたお茶を出してきた。なんだか、いつもよりお茶が熱い気がする。よかったねちーちゃん、僕が猫舌じゃなくて。 「おせんべいは、あげないからね」  今日も平和。多分明日も同じ。少なくとも僕は、そう思っていた。  ちーちゃんは紙くずをゴミ箱に投げ捨てると、お風呂に入ると言い残して部屋を出て行く。僕も一緒に、なんて言いかけてみたけど、やっぱりやめておいた。ちーちゃんは照れ屋さんだから、そういうの嫌いなんだ。僕は好きなんだけどな。  ちーちゃん、さっき何を捨てたんだろう。よくよく考えてみれば、僕はちーちゃんの捨てる紙くずに心当たりがない。そこで僕はふと、前にちーちゃんが僕宛てのラブレターを勝手に捨てた事を思い出した。  
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