すごく特殊な愛の形

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   もしかしたらもしかして、あれは僕宛ての何かでは。不安になった僕は、ゴミ箱から例の物件を取り出してみた。 「苺田、紋次郎?」  紙に描いてあるのは、ちーちゃんのイラスト。ちーちゃんは駆け出しイラストレーターなのだ、えっへん。苺田市(いちごだし)ゆるキャラ草案とか書いてるから、多分ちーちゃんのお仕事関係の紙なんだろう。  ああ、良かった。いや、良くない。せっかく一生懸命描いたのに、捨てるなんてとんでもない。  大きな目をした苺頭が、煙管を吹かして小首を傾げているイラスト。可愛い路線なのか渋い路線なのか、僕にはいまいち分からない。でもちーちゃんが描いたものだし、きっといいものなんだろう。  捨てるくらいなら、僕がもらって後で皆に見せびらかしちゃおう。紋次郎が御披露目になった時、初期案のイラストを見せれば皆有り難がるに違いない。 「……あ」  もう一個名案を思いついて、僕はちーちゃんのパソコンを立ち上げる。勝手に触るなってよく怒られるけど、便利なものがあれば使っちゃうのが人間だよね。  ちーちゃんが戻る前に、終わらせておかないと。僕はインスピレーションに任せて、クリックした。  
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