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すると彼は、私の顎を掴んで言った。
「『お試し期間』…だ」
「お試し…?」
「ああ。彼氏が欲しいんだろ?俺が教えてやる。」
いやいやいや!!
なんで初対面の人と嘘の恋愛することになってんの!?
と思ったけれど、それを察してくれるはずもなく…
チン
エレベーターは11階に止まった。
「じゃ、今度25日に迎えに行く。待ってろよ」
そう言って彼は私をエレベーターから押し出した。
「ちょ、ちょっと待ってよ!!あんたの名前は!?」
振り返りながら必死に問う私に、
「…仁城…夜久(じんじょうやひさ)」
彼がそう言ってニヤリと笑い、
ドアは閉まった。
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