プロローグ

2/5
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/84ページ
──────────── 「ねぇねぇ、"キス"って…どんなカンジ?」 「ふぇッ!?? え…… どんな、って… 言われてもぉ…」 私の唐突な質問に琴(こと)はモジモジし始めた。 「なんて言うか…その…、うっとり、する…感じ?」 と、琴がいつものノロケ顔で言う。 あーはいはい、ご馳走さまでした。 またいつものニヤニヤモードに入っちゃったよ… 私はいつも通りの返事を返す。 「ふーん…」 「うん。えへへへ…」 私はお弁当箱の最後のイチゴを口に運びながら聞く。 「んー、じゃあ… "愛"は…?」 「愛?」 「うん」 琴は少し考え込み、 優しく微笑んで答えた。 「愛…は、説明しづらいな…。人それぞれの愛のカタチってのもあるだろうから…きっといつかわかる日が来ると思うよ。」 琴のこの優しい顔を見ると、ほんとに幸せなんだろうなーっていつも思う。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!