X'mas

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事情があって、 一人で頑張っているのかもしれない。 しっかりしてるんだな… そう感心しそうになったけれど私んちでの悪ふざけや、さっきの出来事を思い出して、またイライラが募ってきた。 本当に恋を教えてくれるのだろうか、 彼氏を作れるように手伝ってくれるのだろうか、 「…不安になってきたぁ…」 そのままパタリと倒れこみ、その場で眠りについてしまった。 ───────********* 少女が部屋から飛び出して行った後、夜久は床に落ちている洋服を掴んで着替え始める。 あの日、エレベーターで夢を語りだした少女を、 先程、戸惑い顔を赤らめていた少女を、 まだ知り合って間もないが、いつも楽しく元気な少女を思い出しながら 「面白い奴、」 と呟くと、 フッ と 優しく微笑み、 最後のボタンをとめ、静かに部屋を出ていった。
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