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女性が1人で入って来て、真っ直ぐ柚多夏達の方に向かった。
若く見えるけど、希春くらいの年齢だろう。ブランド物の高そうなワンピースを着てる。靴もバックも高そうだ。
小柄で華奢な体型に肩までの髪は栗色に染められていて軽くパーマがかっている。髪質はさっきの若い娘(こ)と似てる。顔も少し似てる。雰囲気がそっくり。
…柚多夏のタイプなんだろうな…
『電話の女じゃないか?』
衛藤が言った
『多分ね』
『ますます険悪そうだぞ、柚多夏くんってモテるんだな』
ブランド品に身を包まれた山野絵里子が柚多夏と杉みちるの座っているカウンター席に行くと
『2人で飲んでるの?』
と柚多夏に言った
『ここを杉さんに教えたんでしょ?』
と柚多夏が言った
『…。お母さん、他にも誰かに話したの?』
と杉みちるが山野絵里子に向かって言った
『お母さん?』
柚多夏が山野絵里子の方を見て言った
『私、山野課長の娘です』
杉みちるが言った
『職場では結婚しても山野で通していたから本名を知らない人が多かったのよね。離婚してまた本名も山野に戻ったけどね』
と山野絵里子が言いながら柚多夏の隣りに座った
『お母さんらしい。お父さんと私の存在は隠して』
『今日はどうして親娘で来たのかな?』
柚多夏が聞いた
『みちるが柚多夏くんに興味があるって言うから、親娘で男の好みが似てるのかしらね?』
山野絵里子が母親らしくない事を言った。
『柚多夏くんか…。やっぱり佐城係長がお母さんの不倫相手だったんだ』
杉みちるが感情的になり大きな声になった。
その声は希春達の席まで聞こえた。
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