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翌日、柚多夏が仕事に行った午後。
希春はホテルのレストランに衛藤とランチをするために行っていた。
『昨日はありがとう。色々聞いて、ビックリしたけど柚多夏くんの事を信じてみる』
と希春が言うと
『そう、山野さんからの話しはやめておくよ。希春は柚多夏くんを信じろ』
と衛藤が言った
『そうする。私、山野さんの気持ちも分かるの。愛されないって辛いよ』
『山野さん、娘と一緒に暮らすみたいだったよ』
『じゃあ、寂しくなくなるわね』
『生きてたら、やり直すチャンスがあるよ。嬉しい事もある』
衛藤が言った
『うん。衛藤くんもだよ。いい人を探さなきゃね』
希春がそう言うと
『いない訳じゃないよ』
『あら、初耳。隅に置けないな。衛藤くんは相変わらずモテるね。で、いい人なの?』
『まあね』
『じゃあ、今度 衛藤くんの彼女に会わせてよ。冴木結衣と一緒に厳しい目で見てあげるから』
『遠慮しておくよ。お前達に会わせたら俺はずっと独り身のままになりそうだからな』
『失礼な。私達の衛藤くんには幸せになってほしいのに』
『俺はお前らのなんなんだ?』
『大事な頼れる親友だよ。
今回もありがとうございました』
『いや、こっちこそ、礼を言わなきゃな。
山野さんと話して、死んだアイツの事を少しは分かった気がしたよ。それに娘の事も少し分かった』
『そう』
『希春が俺を呼んだ理由が分かったよ 』
『え?衛藤くんを呼んだ理由は、柚多夏くんと山野さんのよりが戻っていた時に私が一人なんて寂しいじゃない?』
『希春ってそういうキャラだったっけ?』
『この年になって色々あると自己防衛の知恵も付くのよ』
『強くなったな』
『はい』
『でも、サンキューな希春』
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