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土曜日、柚多夏はいつも通りBARに来た。
柚多夏はカウンターに座った。
それを他の席で希春が確認した。
衛藤と一緒に来ていた。
すると小柄で華奢な体型で肩までの髪は栗色に染められて素はサラサラだろうが軽く巻かれている感じが女らしかったし、色白の派手ではないけど可愛らしい顔の若い女の人が店に入ってきて柚多夏を見つけると近付いて行った。
自分とは正反対のタイプの女性だと希春は思った。
『電話の声の人は私と変わらない年齢だと思ったけど、若いわね』
と希春が衛藤に言った。
『お前、冷静だな。』
と衛藤が言った。
『だって、まだ分からないわよ』
先週の土曜日、横浜にいた希春に密告の電話があった。
大人の女性の声だった。
山野と名乗った。
柚多夏が毎週土曜日の夜にこのBARにいると、10年も前からの習慣だと女性は言っていた。
そして、柚多夏はその女性と会う為に来ると言って電話は切れた。
希春は驚かなかった。
やっぱり…と思っていた。
一日、考えた。
翌日、朝倉に連絡した。
『日曜日の朝にごめんね。川原さんとデートだったよね?大丈夫?』
とファミレスに来た朝倉に希春が言った
『沙耶は昨日から女友達と温泉旅行に行ってるから大丈夫です。もう直ぐ結婚するから独身を謳歌するとか言って、それより希春さんの話って?』
と朝倉が幸せそうに言った。
希春は昨日の電話の話をした。
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