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「いやだ、勘違いしないで――ただの幼なじみよ。お兄様もきっと知ってるはずだわ」
ますますもって
僕は青ざめる。
派手な音をたてて、部屋の真ん中で雅彦がグラスを割った。
「すみません、コイツ酔ってるんだ」
周りに詫びる祐介もまたそうとういい具合に酔っ払っていた。
「すぐに片付けますので――」
先刻の執事見習いが今の僕と同じ
青ざめた顔して走り出す。
「どうかした?」
「――いや、それで?」
胸騒ぎを無理矢理抑え込むように
僕は笑顔で妹に向きなおる。
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