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「星蘭(せいら)!」
純白のケープに包まれた妹が勢い良く駆けてきて僕に抱きついた。
とても20歳になったとは思えない。
小枝のように細い手足。
リスみたいなつぶらな瞳。
片エクボの愛らしい口元。
「まあ、星蘭ちゃん。クリスマスはニューヨークじゃなかったの?」
「お義姉様!」
人懐こい星蘭は、すぐに義姉ともハグを交わす。
「偏屈な兄と2人きり、お義姉様が退屈していないか心配で戻ったの」
「星蘭、お客様の前だぞ」
僕がまじめくさった顔で咎めるや
客人は空気を察して去って行った。
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