episode 1  holy night――聖なる夜

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「星蘭(せいら)!」 純白のケープに包まれた妹が勢い良く駆けてきて僕に抱きついた。 とても20歳になったとは思えない。 小枝のように細い手足。 リスみたいなつぶらな瞳。 片エクボの愛らしい口元。 「まあ、星蘭ちゃん。クリスマスはニューヨークじゃなかったの?」 「お義姉様!」 人懐こい星蘭は、すぐに義姉ともハグを交わす。 「偏屈な兄と2人きり、お義姉様が退屈していないか心配で戻ったの」 「星蘭、お客様の前だぞ」 僕がまじめくさった顔で咎めるや 客人は空気を察して去って行った。
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