【番外編】Perfect Crime-2

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  「何が違うの? 俺の言ったセリフを一言一句違えず言ってさえいれば、他の男でも喜んでたんじゃない?」  愛美さんは瞳を潤ませて、かぶりを振った。  ……うん、判ってるよ。判ってるけど。  彼女の迂闊さは全部俺が引っ張り出したもの、それは判ってるけど。  俺とは別の「共犯者」を作ってしまった愛美さんを、許してはいけないんだ。彼女の為にも。  判っていながら、こんな終わりは望んでなかった俺の気持ちなんて、押し通せない。 「……責めても、もう済んだことだし、どうしようもないけど……」  溜め息をつきながら、愛美さんを正面から見つめる。愛美さんは、潤んだ瞳でそれを受け止めた。  ……さて、終わりにしないと、だよね。  こんな状況嫌だな、とまだぼやく自分を押し込める。  それは、さっき俺にささやきかけた悪魔と同じ顔をしていた。 「もう会わないとか、  そんな冷たいことは言わないけど……  今後、俺と今までみたいな  遊びができるとは……もう思わないで」  愛美さんの肩が震えたのを見届けて、俺は立ち上がった。  未練なのは判っているけど、英雄くん以外の男と寝てきた彼女をどうしても許せない。  目を瞑れないことがある以上──俺も引くしかないじゃないか。  完全犯罪のうちに、どうしても手に入れたいひとだった。  現実から目をそらして、どこか違う場所へ飛んでいってしまいたい。  俺にだって、そういう気持ちになることくらい、あるに決まってるだろう。 .
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