それぞれのゆく道

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……エドモンド=ベルハルトがこの教会から忽然と姿を消してから既に三年が過ぎていた。 私はリリア=ランディス。ここ、アースアールの教会で働いているシスターだ。 彼が去ってから時間が急激に進んだ。この国がおかしくなるのに、そう時間はかからなかった、ということだ。 真祖カーミラが危惧していた戦争は、もう間近にまで迫っていた。 教会は、クルセイドの発動はしていないものの、軍隊を編成して何度も吸血鬼の軍団と抗争を繰り広げていた。 「リゴア」という、吸血鬼の中でも過激派が集まる集団だ。 そして、その集団を統治し動かしているのが かつての仲間、エドモンドだという。
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