終・神父様は吸血鬼！？

それぞれのゆく道

彼は、「シリウス」という真祖の魂と、彼の肉体の本来の持ち主である「エドモンド=レノン」という少年の魂が混ざり合った、極めて異質な存在だった。

二百年前、教会側の攻撃によって再起不能にまで追い込まれたシリウスはなんとか命を繋いでいたが、二十年前に肉体が持たないと判断。たまたま不思議な能力を持つ少年、エドモンドを見つけ、その肉体を乗っ取る為に彼を水難事故に見せかけ殺害。

しかし、殆んど力の残っていなかったシリウスは魂を肉体に留める事は出来ないと判断し、エドモンド少年との融合を決意。時が来るまで自身の魂を封じ込め、部下に監視をさせていた。

無理矢理融合された二つの魂は「エドモンド=ベルハルト」という新たな人格を作り出した。そして彼は二十年、人間として生活をしてきた。

ところが、シリウスの予想していなかった事態が発生する。