それぞれのゆく道

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エドモンドが、聖職者の道を歩んだこと。 これには部下たちも心底慌てた事だろう。魂とは正反対の存在に自らなるというのだから。洗礼の儀を受けて魂が消滅しないかと不安にかられたことだろう。 しかし、体は至って普通の人間だったエドモンドになんの変化も訪れなかった。 そしてもうひとつの予測不能な事態…エドモンドの、吸血鬼化。 これも、シリウスを含め、シリウスに仕える全ての吸血鬼が予想をしていなかった事態だ。 部下たちは、メフィストを止めたかったが彼に敵う強者が誰一人としていなかった為、黙って見ているしかなかった。 こうして、真祖の魂を持つエドモンド=ベルハルトはカーミラの眷族という、思いもよらぬ形で吸血鬼に「戻る」という事態になる。 勿論、メフィストも、復活した真祖カーミラも、エドモンドがシリウスだということには全く気がつかなかった。人間の魂と融合したのだから。 しかし、教会が再び戦争を始めようと企み始め、その時が来たため、部下はエドモンドの中に眠る「真祖」を、シリウスの血を使って目覚めさせた。
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