第6話

10/40

579人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
   やけに毅然と言い放ってしまってから、内心落ち着かなくなる。  うう、仕事もこんなふうにきっぱりすっきりできればいいのに……。 「なんで俺が謝らないといけない」 「真田がどう見ようと勝手だけど、事実はあたしがちゃんと知ってる。失礼だよ。謝って」  真田の黒い瞳が少し見開かれて、あたしを凝視した。  やがて、その瞳は所在なさげに休憩スペースをうろうろとして──。 「……悪かった」  ぼそりと、真田はそう言った。  ミルクティー引っかける、っていうのが効いたんだろうか。 「じゃあ、その話はもう終わりにして」 「……待てよ。お前、もうひとつ答えてねえだろ」 「なによ」 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

579人が本棚に入れています
本棚に追加