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やけに毅然と言い放ってしまってから、内心落ち着かなくなる。
うう、仕事もこんなふうにきっぱりすっきりできればいいのに……。
「なんで俺が謝らないといけない」
「真田がどう見ようと勝手だけど、事実はあたしがちゃんと知ってる。失礼だよ。謝って」
真田の黒い瞳が少し見開かれて、あたしを凝視した。
やがて、その瞳は所在なさげに休憩スペースをうろうろとして──。
「……悪かった」
ぼそりと、真田はそう言った。
ミルクティー引っかける、っていうのが効いたんだろうか。
「じゃあ、その話はもう終わりにして」
「……待てよ。お前、もうひとつ答えてねえだろ」
「なによ」
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