第6話

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   真田は黙った。  その間に、こくこく……とミルクティーを半分くらい飲み干す。  まだ熱くて、喉がちりちりした。  真田の瞳が、あたしに真っ直ぐ向けられる。 「あのエロいキスは、何のつもりだった」 「……」 「誘ってんのかと思った。なのにお前、とっとと帰っちまうし。意味判んねえだろ」 「し……したかったからしたんだ、けど」 「お前」 「真田が言ったんでしょ……その、あたしとキスするの……」 “気持ちいい”って……。  恥ずかしくて、最後は消え入りそうな声になってしまった。 「……お前」 .
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