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寒い季節、迂闊に泣くと、どんなにケアしても目じりに小さな傷ができる気がする。
腫れてはいないけど、自分にしか判らないピリッとした痛みを気にしながら、自販機で紙コップにあったかいミルクティーが注がれるのを待ってた。
背後でカチリと音がして、誰かタバコ休憩にでも来たのかな、と思った瞬間。
「お前、何のつもりだ」
頭の後ろから落ちてきた声に、ドキリと心臓が跳ねる。
引っかかりがなくて、テノールの割には少し凄みのある声。
気合いを入れて発せられた声ってわけじゃないはずなのに、真田の声はよく響く。
それが、少しだけ抑えられてあたしだけの耳に届いた。
「な、なに?」
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