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そこには案の定不機嫌そうな真田がいて、思わず怯みそうになる。
真田は火を点けたばかりのタバコを指で挟むと、じりっと眉根を寄せた。
「昨夜のアレは、なんだ」
「あれって……?」
ちら、とフロアの方を見る。
誰かが出てくる気配はなかった。
「とぼけるな。自分でやっといて」
「だって……」
「そうやって、わざわざ男の口から言わせるのが趣味なのか? あ?」
最後の「あ?」は機嫌のよくない時の真田の癖だ。
高校の時から、こうやって無駄に相手を脅すような癖は、社会人になっても変わってないらしい。
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