第6話

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  「そういうわけじゃないけど」 「園田さんとイチャついてると思ったら、アレだろ。意味が判らねえ」 「園田さんとイチャついたことなんてないよ」 「嘘つけ。座敷の隅でコソコソと」  ビー、と自販機が紙コップを満たしたことを知らせてくれる。  口唇を噛みしめて黙っていると、真田が浅く息をついてあたしを押しのけた。  彼は自販機に手を伸ばし、ミルクティーを取り出す。 「ん」 「……」  あたしの手に紙コップを握らせると、真田は据え付けの硝煙灰皿に灰を落とした。 「そっちこそ」 「あん?」 「そっちこそ、何なの。1日何回、彼女と電話してるのよ。感じ悪い……」 「……」 .
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