第6話

6/40
579人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
   手の中のミルクティーがあったかい。  甘い香りに誘われながら、口をつける。  ……おいしい。 「……お前には関係ねえだろ」 「じゃあ、あたしも関係ない。園田さんと何を話そうと、真田には」  驚いた。自分がこんな可愛くない物言いができる女だなんて。  男の人との会話に慣れてないって言ったって、今のがきつい言い方だってことくらいは判る。  でも、たぶん、こういう感じが正しいんだと思う。  真田のことが好きでたまらない感情を、だだ漏れにさせるわけにはいかないもの。  ややあって、真田はチッと小さく舌打ちをした。 「……お前、お構いなしか」 「え?」  ちら、と真田の顔を見る。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!