20人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
やっと話せる程度にチョコを攻略した彼は、
私に向かって言った。
「チョコにしちゃ固いし、
キャンディーにしちゃでかいし、
何なの、このオリジナリティー」
はい、返す言葉もありません。
「次は棒つけとけよ」
棒?
「ペロペロキャンディー仕様でよろしく」
あー。
子供の頃食べてたわ、棒つきのチョコ。
でも、もういい。
来年は作らないって決めたから。
「おい」
呼び掛けられて顔を上げたら、彼の顔が降ってきた。
ふわりと薫るチョコレート。
キスの合間に
小さく溶けたチョコを転がされた。
「お裾分け。
美味かったよ」
散々いちゃもんつけたくせに。
そんなこと笑顔で言われたら
また作ろうかな、って思うじゃない。
むぅ、と唸りながら移されたチョコを噛む。
固っ!
こんな小さいのに固っ!
驚愕する私に、
彼は「ほらな?」と言いたげにニヤリと笑った。
……やっぱり、来年は、ちゃんとしたの買う。
最初のコメントを投稿しよう!