H28.7

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トウモロコシだけでなく、様々な夏野菜が植えられている畑までの距離は、およそ10メートル。 「あれがトウモコロシかぁ~。とっとくん、アレ、トウモコロシなんやって」 路肩に近い側に座っているはっくが、隣に座っているとっとにもたった今得た知識(断じてコロシではありませんが)を伝えてくれています。 その様子を運転席から微笑ましく見ていたワタシでしたが、ふとある事に気付きました。 「あれがトウモコロシかぁ~」 と言いながら指さしているはっくの指先。 それは間違いなくトウモロコシと違う方向に向いています。 確かに、助手席から後部座席に向けて正確な方向を伝えるのは難しいと思いますが、嫁様なりに 「あの緑色のさ、背が高くて、いっぱい並んでて、フサフサしたヒゲの付いた実が付いてる・・ええと・・ホラ、あそこのアレ!!」 と最後は若干グダグダになりつつ、信号が変わるまでの時間を使って必死に説明していたんです。 でもはっくさん・・ 嫁様の必死の説明も虚しく、あなたが指さしてるのはトウモロコシじゃなくて・・ 背の高いただの雑草・・。 確かに緑だし、背は高いし、いっぱいあるし、仄かにモサモサしてる気もするけど、あれは間違いなく食用には適さない、ただの草・・。 畑の脇でバンバン生い茂っている雑草の群れ(多分ネコジャラシ的な何か)を指さす兄の姿に 「ほおおぉぉ~う・・」 ととっとも感嘆(?)の声を上げていますが、車が発進する前に知識を訂正できなかったのが悔やまれます。 ※ちなみにはっくはトウモロコシを 「歯がピスピスするワ(要は皮が歯に詰まるから嫌だと言いたいらしい)」 という理由で食べず、とっとは一粒一粒芯からむしり取り、 「ゲッゲッゲ」 と邪悪な笑いを浮かべるばかりでほぼ食べません。 そんな二人はコーンスープ大好きですが、それもプロデュース by トウモロコシという事を理解しているかどうかは微妙です。
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