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そうしてワタシはマダムに、チューリップを除いた花々で花束を作ってもらうよう、再度依頼をかけました。
「……わかりました」
某家政婦のように短く承諾の言葉を述べ、ラッピングに取り掛かるマダム。
その間ワタシは何とかミッションをクリアした安堵感に包まれつつ、店内をブラブラ歩きます。
「(うーん……ちょっと安すぎたかな?っていうか、誕生日に贈る花束の相場っていくらくらいなんだろ)」
そんなことを考えながらチコチコとスマホを操作し…
そろそろかと思いレジへと視線を向けた時、ワタシは驚愕のあまり心臓が止まりそうになりました。
いつの間にかレジには数名のお客さんが並んでいたのですが…
マダムはそれに見向きもせずに、一心不乱にラッピングに取り組んでいます。
「ヒィ!」
いくら順番とは言え、臨機応変に他のお客さんの相手もして頂きたいのですが、ここ一番の集中力を発揮してラッピングに取り組むマダム。
もっと…
もっと視野を広く持って下さい、マダムッ…!!
っていうか…
普通の客なのに、なぜにワタシがここまで気を遣わなければならないのでしょうか…!
途中どこかへ出掛けていたらしい若い店員さんが戻ってきてくれたおかげで事なきを得ましたが、どうやらマダムはカリスマ店員ではなく、ただの我が道を往くフリーダムだったようです。
嫁様が非常に喜んでくれたのが唯一の救いでしたが、花束を得るために払った精神的代償は相当なものでありました。
↓「今回は出番が無かったなぁ」
とダレダレでリンゴジュースを飲むはっく氏
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