R2年1月

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《サンタの御使い》 早いもので、もうクリスマスの足音が聞こえるシーズンになりましたね(もう年明けてるよというツッコミは置いといて)。 12月に入ると子供達はそわそわしながらサンタさんへのお手紙を書くのですが、今年は二人とも揃って 「うでどけい(腕時計)をください」 と折り紙にしたためていました。 それをセロテープで壁に貼っていく二人でしたが、心配性のはっくがぽつりと言いました。 「サンタさん、こんなところにはってあるてがみ、見えるんかなぁ・・」 昨年(一昨年?)サンタさんは手紙を回収するためにどこから入ってくるのか、というテーマについて 「エアコンからにゅるりと侵入する」 という 「サンタ=スライム」 疑惑な議論を交わした子供達でしたが、やはり煙突もない家にサンタさんがちゃんと入ってこれるのかどうか心配は尽きないようです。 「ここがいいか、いやもうちょっと窓際の方が・・」 と配置を悩ませる兄に、昨年から体も知能も成長した弟が言いました。 「はっくん、はっくん。しんぱいしなくてもだいじょうぶやって。サンタさんにはようせいさんがいるんやから」 「ようせい(妖精)さん??」 目をパチクリさせてオウム返しするはっくに、とっとは得意げに説明しました。 「あんな、サンタさんはようせいさんにたのんで、おてがみをとりにいってもらってるねんで」 「そ、そうなの・・?」 「せやで。だってようせいさんは、どこにでも入りこめるもん。バイキンみたいなもんやから。」 「「「バイ・・・」」」 直接の話し相手であったはっくだけでなく、同じフロアにいながらも違う作業をしていたワタシと嫁様をも振り向かせるとっと理論 「妖精=バイキンみたいなもん」。 よくよく話を聞くと 「妖精=目に見えない」 「バイキン=目に見えない」 「目に見えない妖精とバイキン=同じカテゴリー」 という深遠なる方程式のようですが・・ 「さぁ子供達のお手紙を回収してくるのだ!!」 と妖精(バイキン)を全世界にばら撒くサンタは、もはや聖夜の奇跡というより単なるバイオテロでしかないような気がします。
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