第14巻・はっく、恐怖体験をする

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シートベルトが締まっているか確認のため、係りの人が来てくれた際にボタンやレバーの説明をしてくれたのですが、かなり老境に差し掛かっている方で… 声も小さく、何を言っているやらわかりません。 辛うじて要約すると 「僕がいいよと合図をしたら、上へのボタンを押してね。そうしたら機体が浮き上がるから、レバーで右や左に動かせるよ」 という事でした。(※実際はもっとホガホガした説明です) ブザーが鳴って、いよいよスタートです。 しばらく地表を回転していると、マイクアナウンスで 「ボタンを#$%&)"+!」 という声が聞こえました。 「ここかー!!」 そう思い、 「上へ」 と書かれたボタンを押そうと手を伸ばします。 「はっくよ、いざ大空へと舞い上がらん…!!」 既に体は上方へ浮き上がる準備をしていたのですが、ボタンを押そうとした瞬間、右隣から湧き上がる 「かっこー!!(抱っこー!!)」 コール。 この状況では…… ムリッ……!! どうやら途中で怖くなってきたらしく、怒濤の 「かっこー!!」コール。 結局我々の搭乗機は一度も空へ舞い上がる事なく地表をレトロなメリーゴーランドのように周回して終了。 機体から降りた後、はっく氏は何事もなかったように 「わーい♪」 と走っていかれました。 コイツ… 今しがたの出来事は無かったことにしたな…。 「人は地に足が付いていないと生きていけない」 とは何かのドキュメンタリーでのセリフでしたが、はっくも地表から離れる乗り物はまだ早かったようです。 ↓はっく氏を恐怖のドン底に叩き落とした回転遊具。 すんげー年代物だと思われますimage=484061303.jpg
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