R2年1月

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《服選び》 クリスマスといえば子供達にとっての至福のイベントですが、大人にもちょっとした楽しみを、という事で例年夫婦間で品物を贈り合っています。 今年はちょっと早いけどという前置きと共に嫁様からは靴をもらったので、ワタシからは服をプレゼントする事にしました。 とはいえ服飾品ってサイズもあれば好みもありますのでサプライズにはしにくい部分があります。 なので今年はプレゼントの内容を事前に伝え、嫁様、そしてその日はたまたま幼稚園が午前終わりだったとっとを伴って服選びに出かけました。 一応二人で出かけた際に幾つかの候補は絞ってありましたので、そのセレクトに従ってお店を回ります。 そして悩んだ末に嫁様は一つのお店を選んだのですが、これにしようと決めた服の近くに、全く同じタイプながら色が違うものが掛けてある事に気が付きました。 「うわ・・これにしようと思ってたけど、こっちもいいかな・・」 これと決めていたのはグレーで、新しく見つけたカラーは黒。 どちらも落ち着いた雰囲気で中々良いのではないかと思われます。 「どっちも買ったらいいじゃない」 とサラッと言えちゃうのが素敵オッサンの特徴だとは思うのですが、持ち合わせと相(以下省略)という大人の事情を頭の中で算段している間に、嫁様は両方の服を持ってとっとに示していました。 「ねぇねぇとっとくん。こっち(グレー)とこっち(黒)、どっちがママに似合うと思う?」 自分に話を振られると思っていなかったらしく、目を真ん丸にして驚きつつも真剣にう~ん・・と考えるとっと。 そして彼は少しの時間の後、黒をピシッと指差しました。 「そっかそっか、黒かぁ。黒も素敵だよね!じゃあ、黒にしちゃおっかな~♪」 そう言いながら嬉しそうに服を取り出そうとする嫁様に、とっとはニッコリ笑って言いました。 「うん。とーくんはくろのほうがいいとおもうよ~。だって・・どろぼうみたいだもの。」 「泥・・・」 似合う理由が 「泥棒っぽくてNICEだね☆」 というコメントにがっくりと肩を落とす嫁様。 その後様々なディスカッションが繰り広げられ、最終的に 「どっちでもいいんじゃない?」 という、ちょっと大人びてるけどじゃあお前何であの時泥棒とか言っちゃったの的なとっとのまとめにより、最終的にグレーが選ばれましたが・・あの時悪ノリして 「いよっ!!黒が似合うね!!世紀の大泥棒アルセーヌ=ママン!!」 と合いの手を入れなかった自分の自制心を褒めてあげたいと思います。
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