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「お前はそれでいい!
…まあ、簡単に言うとだな、葉月の話が突発的すぎて引く暇もなかったし、しかも内容すげーおもしれーじゃん?
ホモがどうのこうのの前に、そっちに気を引かれたんだよ!」
「面白がらないでよ、さっきも言ったけど、僕結構真剣なの」
「お前が真剣になってても内容がシリアスぶち壊しだろ?」
………何も言えねえ。
「とにかく、だ。葉月、幸いなことにあっちは馬鹿だ。純粋馬鹿だ。せっかくこんなに喜ばれてんのに、お前はそれを裏切るのか?」
「え、うん。だって僕の人生がホモ人生に」
「しゃらっぷ!!話を聞いてくれるやつじゃない、ってことはお前の話で十二分に分かった。
葉月だってわかってんだろ?
だからな、ここはだな、デートとかしていくうちに、さりげなく気づかせるのがいい。
何ならカラダをささげても」
「ふぁっくゆー!!」
あの時は羞恥を捨てたけど男!男に僕の初めてをあげるのっ!?
やだよ、それこそ絶対に嫌だよ!
「じゃあ葉月、髪切りゃあいいじゃねーか。前髪なきゃそれなりに顔整ってるし、肌白いし。…まあ、女っぽく見えなくもない。だが、そうしたら即万事解決だろ」
ハルが重たい僕の前髪を触ってかきあげる。
視界が明るくなって、反射的に片目を瞑ってしまう。
確かにそれが一番効率がいい。
前髪を切って、いや、むしろ全体的に切って僕の中性的な男の顔を全面的に晒す。
…でも、それだけは、僕はできない。
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