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「とっ、とりあえず、沈黙は肯定、だから俺たち付き合えるんだよなっ?」
「え、うん?まってちが」
「うおおおお!!!夢だ夢みたいだ!!俺が、葉月ちゃんと!付き合える!なんて!!」
……。
「うん、だからね、聞い」
「じゃあ早速!メアド交換といきましょう!!スマホ貸して!」
…………。
「ねえ、何でポケットに僕のスマホがあるって知ってるの?」
「え?だって俺、お前のこと好きだもん。好きなやつのことくらい知ってて当然だろ?」
おっ………と、これはキタ。
好き、なんて言われたことのない僕からしてみたら、鼓動を高鳴らせる要素の一つだ。
彼は僕のコートの左ポケットから黒いスマホを出してメアドを勝手に交換してる。
許可出してないのに。
身勝手な子だな。
だけど、そんなのは彼のさっきの一言でどうでも良くなってしまったんだ。
「はい、完了…っと!じゃあ、改めまして、よろしくお願い申し上げます!!」
「申し上げなくていいから」
こっちもよろしくしないし。
よろしくできないでしょ。
透クンはそれだけ言うと、ここからダッシュで逃げて行った。
「……結局、断れなかったし」
なんで、こんなことになったんだろう。
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