映画「世にも怪奇な物語」--第一話「黒馬の哭(な)く館」

3/7
59人が本棚に入れています
本棚に追加
/993ページ
映画に話を戻すと、一話目はロジェ・バディム監督「黒馬の哭く館」。制作当時は監督の妻だったジェーン・フォンダがヒロインを務めている。 舞台はヨーロッパの中世。 というより、ジェーン扮する女伯爵フレデリックの、上半身はデコルテをそのまま象った木製の胴衣(甲冑?)を着け、太腿はそのまま剥き出しにした装いを見ると、中世風の架空の世界とも思われる。 それはさておき、女伯爵のフレデリックは莫大な財産にあかせて放埓で退廃的な日々を送っている。 彼女の居城の広間では取り巻きの男女が縺(もつ)れ合い、彼女自身は常に不特定の男を下僕兼愛人として侍らす一方で女性とも戯れる。 快楽主義者というより、性(を含めたあらゆること)への禁忌意識が希薄な印象を受ける。 かつ、盗みを働いた侍従の幼い美少年を木に吊るして矢を射掛けるなど、サディスティックな性質も見られる。
/993ページ

最初のコメントを投稿しよう!